前立腺疾患治療センター
ご挨拶
切らずに、前立腺疾患を治療します。
高齢化社会の進展とともに、前立腺肥大症や前立腺がんなど男性特有の疾患が増加傾向にあります。
より負担が少なく安全で、確実性の高い治療を実現するため、藤枝平成記念病院・前立腺疾患治療センターでは「切らずに治す」をモットーに、次世代内視鏡（TURis）、および、最新の定位放射線治療（IMRT）を中心にした前立腺疾患治療を全面的に導入。豊富な経験をもつ泌尿器科専門医と放射線治療専門医が共同で治療にあたることで、これまで高い治療成績を挙げてきました。
ご相談いただければ可能な限り早急に検査・治療を行いますので、排尿困難や頻尿でお困りの方、前立腺疾患が疑われる方はぜひお気軽にお問い合わせください。
前立腺疾患治療センター センター長 上野 学
藤枝平成記念病院 院長 平井 達夫
前立腺疾患治療センターのご案内
■排尿困難や頻尿などの前立腺肥大症を治療します。
従来に比べ安全性が向上した次世代内視鏡（TURis）で、肥大した前立腺や開きの悪い膀胱頸部の切除、切開、蒸散、内視鏡的核出術を行います。内視鏡による「切らない手術」は、根治治療として高い評価を得ています。また、前立腺肥大症に似た症状の神経因性膀胱についても、当院の「背髄脊椎疾患治療センター」と連携して高精度な診断/治療を行っています。
■少ない副作用で高精度に前立腺がんを治療します。
欧米男性の「がん」による死亡原因は肺がん、直腸がん、前立腺がんがトップ3で、いずれも日本も追従すると考えられています。検診時のPSA（前立腺特異抗原）検査で発見されるチャンスが多く、進捗状況によって手術、ホルモン療法、定位放射線治療など治療法の選択肢も多い前立腺がん。それぞれ治療成績は良いのですが、どの段階でどの治療法をどう使うか、が大きな問題となっています。
当院では放射線治療の専門施設として「ガンマユニットセンター」「定位放射線治療センター」を運営しており、その経験を活かし、定位放射線治療を進化させた強度変調放射線治療（IMRT）を行っています。精度の高い放射線のメスで、安全かつ少ない副作用で前立腺がん治療が行えるIMRTは、いま大きな注目を集めています。
●前立腺生検を正確に実施する経直腸的超音波検査機器を導入
●患者さん一人ひとりに合わせたオーダーメイドの治療計画
●ホルモン療法を組み合わせた前立腺がん治療にも対応
診断/治療の流れ
■初診の場合（紹介状のない方）
基本的に診察は全て予約制です。予約なしの場合、以下のような問診・治療を当日できる範囲で受けていただきます。検査結果が出揃う頃の外来を予約させていただき、検査結果をご説明します。
【検査内容】
問診、尿検査、尿流（尿の勢い）検査、超音波検査、
CT検査、血液検査（PSA*等）
*PSA：前立腺から分泌される物質（前立腺特異抗原）で、前立腺に疾患があると血液中に浸出します。
※予約の患者さんを優先しているので、多少時間がかかる場合があります。
■他病院からの紹介状のある方
・基本的に診察はすべて予約制です。
・あらかじめセンターにお電話いただき、ご予約ください。
■他病院で泌尿器科、放射線科でがんと診断され、当センターでの放射線治療を紹介された方
・基本的に診察はすべて予約制です。
・あらかじめセンターにお電話いただき、ご予約ください。
●当院の泌尿器科専門医の診察後、放射線治療専門医が定位放射線治療（IMRT）についてご説明します。
●精密な定位放射線治療（IMRT）には、週5日の治療で約2ヵ月の通院を要します。
●ホルモン療法を併用する場合は、月に1回、3～6ヵ月間の治療の後にIMRT治療に移ります。
安全性の高いTURis法
■安全性の高い、次世代内視鏡手術「TURis法」
経尿道的に肥大した前立腺を電気メスで切除するのがTUR法です。このTUR法を進化させたのがTURis法で、開腹手術の必要もなく前立腺肥大症の治療が安全・確実に行えます。
●従来方式に比べ、安全性に優れたバイポーラ（双極）式の電気メス
●生理食塩水の使用で、低Na血症などのリスクを軽減
●切除、切開、蒸散、内視鏡的核出手術などを効率よくサポート
●大きな前立腺も、開腹せずに内視鏡で対応可能
前立腺がんに対する強度変調放射線治療「IMRT」
■強度変調放射線治療「IMRT」とは
IMRTは、腫瘍の形状に合わせて放射線を照射することで、周囲の正常組織への影響を極力抑える放射線治療です。患者さんを固定する必要があることから事前の治療計画や治療時間に多少の時間を要しますが（週5日、約2ヵ月間の通院が必要）、安全で効果の高い治療が外来で行えるなど患者さんにとって多くのメリットがあります。今後は日本でも、前立腺がんの治療は欧米並に放射線が主体となっていくと考えられています。
●少ない副作用
●安全で効率的な放射線照射
●高年齢の方や合併症（持病）の方も治療可能
●早期から中期までの前立腺がんを根治治療
●緩和治療期の疼痛の緩和
●保険診療が可能
■前立腺がんに効果的な、強度変調放射線治療「IMRT」
当センターでは最新鋭の放射線治療装置（エレクタ社のシナジー：画像誘導リニアック装置）による強度変調放射線治療（高度精密照射）を行っており、専門医の適切な助言のもとで正確かつ安全に高線量を腫瘍部に集中照射します。このため治療効果も良好で、副作用も少なく抑えます。約2ヵ月にわたる治療中はもちろん、治療後のアフターケアも放射線治療専門医と泌尿器科専門医が行います。
受診のご案内
当センターの診察はすべて予約制です。
他病院の紹介状のある方も、あらかじめ電話にてご予約をお願いいたします。
【初診の方】
予約なしで来院された場合、まず泌尿器外来で検査を受けていただきます。その上でセンター外来の次回予約をお取りいただき、診察となります。
【泌尿器科外来診察日】
火（午後のみ）/水・木曜日（第5木曜日を除く）
9：00～11：30 / 14：00～16：00
【休診日】
日曜日、および国民の祝日に関する法律に規定する休日
年末、年始の12月30日～1月3日まで